会長挨拶

会長 藤井江美

会員の皆さまをはじめ、日頃より当協会の活動にご理解とご支援を賜っております関係各位に、心より御礼申し上げます。日本保険薬局協会は、国民皆保険制度のもと、地域医療を支える保険薬局の健全な発展と、薬剤師の専門性の確立・向上を目的として、長年にわたり活動を続けてまいりました。このたび、協会として女性初となる会長職を拝命するとともに、調剤薬局の現場で勤務してきた薬剤師の一人として、あらためて業界の未来に対する責任の重さを強く感じております。

現在、薬局業界を取り巻く環境は大きな転換期にあります。令和8年度調剤報酬改定は、人口構造の変化や医療提供体制の持続可能性が問われる中で、「対物業務から対人業務へ」「地域包括ケアの深化」「医療人材の確保・処遇改善」といった政策の方向性を、あらためて明確に示したものと受け止めております。一方で、門前薬局等立地依存減算の導入をはじめ、とりわけチェーン薬局にとっては経営環境として決して楽観できない内容も含まれており、厳しさが続いていることも事実です。

こうした状況だからこそ、薬局および薬剤師が地域医療の中で果たしている機能・役割が、正しく理解され、制度としても適切に評価されるようにしていく必要があります。そのために、私たちは現場の実績に基づくエビデンスを丁寧に示しながら、関係各方面への働きかけを一層進めてまいります。

その取り組みの土台となる共通の指針として、日本保険薬局協会では「薬局・薬剤師ビジョン2040 ― DXで安全・安心を支え、専門性で心に寄り添う 進化する薬局インフラの姿 ―」を策定いたしました。

本ビジョンは、超高齢社会の進展や医療ニーズの変化を見据え、将来にわたって薬局が地域に必要とされ、信頼され続ける存在であるための方向性を示すものです。ここでは、2040年のあるべき姿を次のように描いています。

2040年、日本のどこに住んでいても必要な医薬品が確実に届き、データとデジタル技術によって薬物療法の安全性が担保される。さらに、不安を感じたときには、必ず「人」である薬剤師が寄り添い、患者が安心して適切な判断を行えるよう支えてくれる。――「DX」と「人」が融合した、世界で最も信頼できる医療インフラ。それが、私たち日本保険薬局協会が目指す2040年の医療の姿です。

そして本ビジョンは、単なる未来予測ではありません。私たち一人ひとりが国民の利益に貢献し続けるために、協会が「行動する機関」として取り組みを進めていくことを宣言するものでもあります。

今後は、このビジョンを共通の指針として、薬局の価値向上と持続可能な制度の実現に向けた提言・情報発信を強化するとともに、現場の実装につながる取り組みを、より一層推進してまいります。

薬局が社会から正当に評価され、地域に欠かせない医療インフラとして機能し続けるためには、協会としての活動に加え、会員の皆さま一人ひとりの現場での実践とご協力が不可欠です。あわせて、行政機関ならびに関係団体の皆さまとも課題を共有し、知恵を出し合いながら、ともに薬局・薬剤師の未来を切り拓いてまいりたいと考えております。

今後とも、日本保険薬局協会への変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

一般社団法人 日本保険薬局協会
会長 藤井 江美

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